すべては反応の向け方次第。不快を快に転換出来た体験談(音編)

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普段の生活の中で不快に感じることってありますよね。

他人のマナーが良くないなあって時に不快感を感じることが多くあると思います。電車やバスの中でのおしゃべりがやかましいとか。香水の臭いがきついとか。いつも不機嫌な人が近くにいる時とかいろいろありますね。

そんな時に感じる不快感を心地よいものに出来たら素晴らしいと思いませんか?自分の心の持ち方次第で不快を快に転換出来るんじゃないか。少しの想像力がそれを可能にしてくれるんじゃないかって思うようになりました。

これはさっき体験したことなのですが、とても楽しかったので書いていきたいと思います。

今日は土曜日休みの日、夕方からジムに行って汗を流してきました。最高に爽快な一日となりました。土曜日はトレーニングに励む人が多く今日もジム内は賑やかでした。私はいつも全面鏡張りのランニングマシーンでぼーっとしながらゆっくり歩くことを日課にしています。ゆったり自分のペースで歩いているとだんだん気持ち良くなってきます。

今日は後ろでぜぇぜぇ言いながら全力疾走をしている人がいました。初めて見る人でその風貌から最近ダイエットか体力作りを始めた人なんだということがわかります。

「そんなに無理して大丈夫かね。トレーニングは初めから頑張りすぎると後が続かないよ」

そんなことを考えながらこっちはマイペースでウォーキングをしていました。すると私の左隣にこれまた初見の若い男性がやってきました。細身で骨ばった顔が印象的でした。開始早々ドタドタ大きな音を立てて全力疾走をしだし私は思わずびっくりしてしまいました。その音があまりにも突然で大きいものだからどうしてもそちらに意識が向いてしまいます。私は走るとき周りに迷惑にならないようにあまり音を立てないようにしています。それがマナーかなと思っているのですが隣の若い男性はそんなマナーの壁をぶち破りとにかく豪快に駆けています。

「やかましいな・・・」

少し不快感を感じたところで今度は私の右隣に大柄の髭を生やした熊のような中年男性があらわれました。私はマイペースで心地よく歩くことをその時諦めました。それからが早かった。

いつもの心地よさを手放してドタドタ大きな音に意識を集中させました。するとその音が大きなドラム音に聞こえてきました。私は指スティックで拍子をとり始めました。

規則正しく大きく鳴るドラム音に拍子を合わせているとやかましい不快感が薄れて行きました。右隣の熊さんが走り出します。これまたデカい音。予想はしていましたが本当にでかい。

「まってました!」

ここからセッションがはじまりました。完全にライブです。音に意識を集中すればするほど私の感情は高まっていきました。魂が高揚しています。ソウルフルです。もう気持ちいい。全力疾走をする若い男性が汗を流して苦しそうにしているその表情がもう伝説のロッカーのようにしか見えません。私の指スティックも初めは小刻みに動いていたのにいつのまにかノリノリになっていました。

「熊さんのずっしりと重たい音も最高だよ!」

若い男性とおじさんたちのロックバンド結成です。ボルテージは最高潮で「私がこのジムを支配する者なり」なんて感じてました。まだ終わりたくない。いつまでも演奏していたい。もう楽しくて楽しくてしょうがない。一体感が半端ない。そんなことを感じているのは私だけですが本当に楽しかった。

楽しいセッションも終わり、特に打ち上げもすることなく私は一人ジムを去りました。外は大雪が降っていて寒いはずが私の心はポカポカでした。大満足。

以上、反応の向きで不快感を快に転換できた体験談でした。

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