石川県立図書館!伝統色を用い金沢市の主要観光スポットと化した!!!

金沢市
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2022年7月に石川県金沢市小立野に新しく石川県立図書館がオープンし話題を呼んでいます。
というわけで今回は「新石川県立図書館」を歩いてみました。


旧石川県立図書館は金沢市の中心部兼六園や21世紀美術館のすぐ近くにありました。私が学生時代の頃に大変お世話になりました。当時県内で4番目に古い図書館でかなり老朽化が進んでいました。夏はクーラーの効いていない部屋で静かに音をたてて首を揺らす何台かの扇風機。冬はやはり暖房があまり効かずにコートを着ながら勉強や読書に励んでいました。館内には決して多くはない人々。仙人のような雰囲気の方々が毎日難しそうな哲学書や郷土資料を舐めるように読まれていた光景がとても懐かしいです。

石川県立図書館のビフォーアフター

Before-

金沢市本田町にあった旧石川県立図書館。今は福祉総合研修センターとして使われている。
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1966年(昭和41年)に開館し、2021年(令和3年)に図書館としての役目を終える。
約55年もの間、お疲れさまでした。いろいろな思い出をありがとう!
ってまだその役目は終わっていないけどね。。。

Afterー

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そして

2022年7月16日土曜、金沢市小立野の自然に囲まれた高台に堂々と新石川県立図書館誕生!!!
敷地に400台止められる駐車場があるにも関わらず県内外からその姿を目に収めようとたくさんの人が訪れ週末には前の道路が開館から1年たった今もかなりの渋滞である。地元の人は結構困ったんじゃないかと思われる。大渋滞を巻き起こすだけあってやはりその姿美しいのである。

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図書館は金沢市街地から坂を登った静かな丘の上に建っており、周りには視界を遮るものがほとんどありません。なお美しい山が見えます。かなりの好立地といえるのではないでしょうか。

空想的想像力を刺激する圧倒的内観 

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すごいすごいとは聞いていたが、一足エントランスホールに足を踏み入れると私は絶句した。旧石川県立図書館のあの哀愁漂う古びた建物に馴染んでいただけに。

宇宙船ですか? 
それともノアの箱舟ですか?

私の知っている図書館ではない。少なくとも私の知っている旧石川県立図書館ではない。館内はまるで別世界。
天井の大きく近代的な青い窓から差し込む太陽の淡い光、多くの蔵書が醸し出す知性、古代の円形闘技場を思わせる堂々たる威厳、全体を支える木組みの理性的な羅列、どこか懐かしさを感じさせる情緒的な色使い。情報量が多すぎる。でも決して悪い心地がしない。むしろワクワクした。幼い子供が初めて宇宙の世界に触れた時のように。

ま、とりあえず興奮する気持ちを静めて館内を歩いてみよう。

無限に通じる回遊型世界

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行き止まりがない!
館内の景色に心を奪われて歩いていると方向感覚が奪われていく。
私はこの日に館内を一体何周したんだろうか。

円形の中に多様な読書(学習)スタイルがある

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館内の設計はとても美しい。それは閲覧(学習)スペースにも表れている。更には多様な読書(学習)スタイルが設計されていることに驚いた。
上の写真のように円に沿った広々としたスペースで隣の人を気にせず、また前に開けた見事な景色に学生たちも勉強がはかどるのではないだろうか。
この日は夏休みということもあり多くの学生たちが真剣(?)に勉強しており邪魔してはいけないと思ったから写真には納められなかったがこの他にもいろんなスタイルの席が用意されている。
その数なんと約500席。

金沢らしさを思わせる館内の美しい色彩(加賀五彩)

加賀五彩という言葉はご存じだろうか。
石川県の伝統工芸「加賀友禅」に見られる色彩で金沢のイメージカラーだと言えます。

石川県立図書館の特徴としてその色彩が美しいことがあげられます。
色彩はベンガラ色がベースカラーに加賀五彩(伝統色)がアクセントカラーに用いられています。
それにより古代の円形闘技場(コロッセオ)のようでありながらどこか落ち着いてなつかしさも感じさせる雰囲気を醸し出しているのではないでしょうか。
また天井には加賀藩前田家の成巽閣にも見られる青色が引用されています。
金沢市の町のイメージと図書館の雰囲気がこの伝統色によって上手く融合し見るもの深い感動と安心感を与えてくれています。

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読書に疲れたら併設のオシャレなカフェへ

「 Hum & Go 」

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ここでしか味わえない「図書館ブレンド」なる粋なコーヒーが置いてあります。

詳しくは Hum & Go 公式ホームページへ

石川県立図書館の基本情報まとめ

石川県立図書館(パブリオバウム)

開架冊数:約30万冊
地下書庫収蔵能力:約200万冊
閲 覧 席:約500席
駐車台数:約400台
駐車料金:入庫後30分無料、以降30分ごとに100円
     図書館利用者は入庫から3時間無料
こどもエリア:約2000㎡

場  所:石川県金沢市小立野2丁目43-1
電話番号:076-223-9565
開館時間:閲覧エリア9~19時(土・日曜、祝日は~18時)
     文化交流エリア9~21時(土・日曜、祝日は~18時)
休 館 日:月曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始、特別整理期間

その他

館内で写真撮影はしていいの?

今のところ館内の撮影はOKとのことです。ただし他の入館者に配慮してフラッシュ撮影や三脚を使っての撮影はNGとなっています。

ちなみに同じ金沢市内にある「海みらい図書館」(2012年に世界の最も美しい公共図書館25選の一つに選ばれた)は現在館内の写真撮影は全面的に禁止となっております。

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そのうち石川県立図書館も写真撮影が禁止になってしまうかもしれませんので、その美しさを写真に収めたい方は今のうちに!

図書館内で飲食はできるの?

文化交流エリアとこどもおしょくじエリアでは飲食は可能です。
その他閲覧エリアと子供エリアでは蓋のついた飲み物はOKとのことです。

勉強は何時までしていいの?

閲覧エリアは19時までとなっていますが、ラーニングエリア(学習や読書、デスクワーク、簡単な打ち合わせなど、さまざまな使い方ができるエリア) では21時まで勉強できるとのことです。

館内でフリーWIFIは使えるの?

全館で使えますよ。

さいごに

今回「新石川県立図書館」を歩いてみて思ったこと。

これはもう図書館という枠を超えた、金沢市の新たな観光スポットだ!

実際に設計者サイドも図書館のコンセプトとして
公園のような目的がなくても何気なく訪れることができるような場所を掲げています。
本当に読書や勉強に興味がなくっても誰でも愉しめる。
そんな素敵な場所だと思いました。

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