石川県を始めて観光する人は金沢市の兼六園やひがし茶屋街あるいは近江町市場などを訪れることでしょう。それらは地元民からみても大変魅力的な空間だし絶対に押さえておいてほしいスポットと言えます。またそれら以外の陰に隠れてはいるがとても素晴らしいスポットはいくつもあります。
~もっとも金沢の情緒的匂いを感じられる町~
今回は風情溢れる町「主計町」(かずえまち)を歩いてきました。
ひがし茶屋街を歩いたのなら決して外せない場所
ひがし茶屋街から通りを面して反対側の一角にここ主計町はあります。目立つ案内看板などはありませんので事前に金沢について下調べをした方でないとその存在に気づくことは難しいかもしれません。実際にひがし茶屋街は常に観光客であふれていますが、主計町は静かで人通りはあまりありません。
しかしひがし茶屋街を歩いてこの主計町を歩かないということは、寿司のネタは食べたけどシャリは食べていないというくらいにもったいないことだと思います。
主計町はひがし茶屋街と同じく茶屋街として料亭は茶屋が立ち並んでいます。
ひがし茶屋街と主計町を両方歩くことでより奥行きのある金沢を堪能できることでしょう。
それくらい地元民の私は自信を持って推せる場所です。
広さはゆっくり歩いて20分くらいで回れる比較的小さな規模のエリアです。
ちなみにこの町の名前の由来は江戸時代の加賀藩士富田主計の屋敷があったことからきています。
京都が舞台の映画「舞妓Haaaan!!!」のロケ地に使われた場所
2007年公開の脚本宮藤官九郎、主演阿部サダヲ、柴咲コウの映画「舞妓Haaaan!!!」のロケ地になったことで全国的に有名になりました。
本作は舞妓と遊ぶことを夢見たサラリーマンの話です。とても愉快で笑える映画なので見てない方はおすすめです。
映画の舞台は京都という設定であるにも関わらず主計町がロケ地として使われています。さらに映画に登場するメイン舞台「夢川町」(架空の花街)として主計町が使われています。あと鴨川に見たてられているのは主計町のとなりを流れる「浅野川」。
舞妓がテーマの有名な映画に使われる場所ということで、主計町がどれだけ魅力あふれる場所なのかということは想像していただけると思います。
その他にも五木寛之の小説「浅の川暮色」の舞台にもなっています。
狭い路地を抜けると見えてくる懐かしく情緒的な世界
20分くらいで回れる規模の小さな町ですが石畳の細い路地を歩けば昔の時代にタイムスリップしたような錯覚に陥るくらい先の見えない魅惑的な世界が広がっています。
想像力を刺激されて楽しいですよ。
あかり坂と暗がり坂
細い路地を歩いていると「あかり坂」と「暗がり坂」に行きつくことでしょう。
情緒あふれるこの坂は「暗い夜のなかに明かりをともすような美しい作品を書いた泉鏡花を偲んで、あかり坂と名付けた。」とのことです。
泉鏡花は明治期から昭和初期に活躍した小説家でその特有のロマンティシズムで幻想文学の先駆けとして評価されている人物です。
夕方に訪れるのがおすすめ
ここ主計町の風情や情緒を味わうなら夕暮れ時に訪れることをお勧めします。
ただ主計町にはお土産屋などはなく、道路を面した向かいのひがし茶屋街でお土産などを購入する場合はだいたい18時くらいにはお店が閉まってしまいますのでその辺はご注意ください。
夜も電灯の仄かなあかりの下、風情ある街並みを歩くのもロマンチックでおすすめです。
主計町までの交通アクセス
(車を利用の場合)
・金沢駅から約10分(約3km)
・北陸自動車道金沢東ICから約15分(約4km)
(バスを利用の場合)
・城下まち金沢周遊バス・北陸鉄道路線バス・西日本JRバス
→「橋場町」バス停から徒歩5分
・金沢ふらっとバス材木ルート
→「浅野川大橋」バス停から徒歩約2分
おわりに
映画や小説の舞台にもなっている「主計町」を今回は歩いてきました。
休日だと観光客で溢れかえるひがし茶屋街とは対照的にここ主計町は人通りは少なくとても静かです。
だからと言って魅力がないということは決してありません。
私は今回歩いてみて改めてここ主計町は金沢の情緒を色濃く漂わせる素敵な場所だと思いました。
ひがし茶屋街の雰囲気よりも主計町の方が好きという方は少なくないと思います。
とにかく主計町は趣ある金沢の伝統的な街並みを静かにゆっくりと歩くことができます。
落ち着いた雰囲気がお好きな方には特におすすめです。
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