私は金沢市に住んでいます。生まれも金沢市で今まで兵庫県、愛知県、香川県、長野県にしばらく住んでいました。旅行が趣味で各県いろんなところへ訪れています。それぞれに色があります。そこで地元民ならではの穴場スポットを含めた石川県の魅力を見て感じたままに日記で伝えていけたらと思います。
~ゆっくり流れる時の中に、日本の原風景が広がっている~
今回は輪島市を歩いてきました。
石川県と言えば、金沢市の兼六園やひがし茶屋街が有名ですが金沢市以外にも魅力的なスポットはたくさんあります。
ここ輪島市は海や山に囲まれ伝統文化が色濃く残る場所として石川県に来たならば是非行ってもらいたいところです。
里山海道を抜け輪島の入口へ
金沢市と能登をつなぐ大動脈、「里山海道」を車で走ります。この日はとても天気が良く海を見ながらのドライブは最高でした。(めっちゃ暑い一日でしたが35℃)
途中休憩も兼ねて道の駅で降り海の眺めを堪能しました。海岸線が美しい。
里山海道を降りてすぐ、これぞ日本の夏っていう風景が飛び込んできます。
里山まるごとホテル
この茅葺の情緒ある古民家はホテルです。能登の暮らしをまるごと堪能できます。
地域一体が里山を体験できる一つのホテルというコンセプトで地元の方々と一緒に作業したりゆったりした時間を過ごせ都会とはまるで異なる世界を体験できることでしょう。
まるで時代をタイムスリップしてきたような生活環境がここにはあります。
のどかで時間がゆっくり流れとても居心地がよくずっとこの世界に浸っていたい気持ちになりました。
そんな思いを断ち切り輪島の市街地に向かいました。
輪島道の駅
輪島についたらまずここへ「輪島道の駅、ふらっと訪夢」
ここは2001年に廃線になった、のと鉄道七尾線の終着駅である輪島駅があったところです。その名残が各所に見られ昔のロマンあふれる面影を感じます。
ん?・・・・・シベリア!?
輪島駅はのと鉄道七尾線の終着駅なので看板には空白であったところに誰かがいたずら書きで「シベリア」と書いて当時の駅長さんがそれをそのまま残したそうです。ロマンチックです。
はい、きました。
石川県三大ご当地サイダーの一つ「しおサイダー」
夏にはサイダー。しかもご当地サイダーってもうたまらん。
サイダーの甘みと塩のしょっぱさが絶妙に調和している。
さらに塩のせいだと思われるが、炭酸のきめが細かくて柔らかい。
とっても飲みやすいんです。
シュワーーーっと細かい炭酸が心地よく口いっぱいに広がります。
他にも能登の美味しい地酒や
能登と言えば石川県を代表する伝統工芸品の「輪島漆器」
いろいろ見てると思いますが、輪島には全国に誇れるものがたくさんあります。
輪島朝市
里山海道を降りて車で走ること30分、輪島市街地が見えてきます。輪島と言えば輪島の朝市が全国的に有名なのではないでしょうか。朝市は市街地の通りで行われています。
輪島の朝市は岐阜県の高山朝市・千葉県の勝浦朝市とともに、日本三大朝市の一つです。その歴史は古く平安時代から現在まで脈々と続いています。
輪島に来たらここに来ないと始まらないでしょう。
でも時間には気を付けてくださいね。お昼12時過ぎたらおばちゃんたちはテントを畳んで帰ってしまいますので。
テントの内で威勢のいいおば様たちが陽気に声をかけて来てくれます。暑いね~とかトンビが鳴いてるね~とか温かい心の触れ合いがありなんだかほっとします。
テント内では魚介類だけではなく民芸品やクラフト細工その他いろいろなものが陳列されています。
通りには輪島塗のお店やデビルマンで有名な永井豪記念館などが立ち並びます。この日は暑かったためお店に入るとどのお店でも冷たいお茶を出してくれました。これも嬉しい。
奥の方には高級品が置いてあり撮影NGでした。でもたまにこういう伝統工芸品を見ると圧倒されますね。色合いの美しさや深みが素人目にも一目瞭然で見ていてとても楽しいんです。
お箸を購入。(箸置きは九谷焼。ひがし茶屋街で購入したものです。)
お箸一つで結構気分が変わるものですね。
朝市の通りから少し外れたところの街並みも風情があっていいです。なつかしさを感じ心が和みます。ただこの日は本当に暑かった・・・
「えがらまんじゅん」
このお饅頭は石川県民にとってはソウルフードと言っていいでしょう。小さい頃おばあちゃんがよく買ってきてくれました。金沢にも売っていたんですよ。黄色いもち米に包まれたこしあんのお饅頭。この黄色がたまらなく美味しいんです。歯触りも最高だし。
土屋太鳳も好きらしい。この先もずっとこのお店の広告塔として使われるんだろうな。
あ、ここ輪島はNHKの朝ドラマ「まれ」の舞台になったところです。
私も思わず買っちゃいました。
う~~~、なつかしい味~~~。
何年振りかのえがらまんじゅうはやっぱりおいしかった。
「まれ」のセットで使われていたもの。
(※12時を過ぎると通りから人が消えます。お店もほとんど閉まります。時間にはお気を付けくださいね。)
輪島塗
独特の深みと光沢に思わず目を奪われてしまう伝統工芸品の輪島塗。輪島市内の至る所にその豪華な品々を展示するお店たちが並び私たちを楽しませてくれます。
じっくりと輪島塗の魅力を堪能するなら次の2つのスポットがおすすめです。
輪島塗会館
たくさんの輪島塗の品が展示されています。私がとくに気になったのが「輪島塗の宝石箱」です。
日本昔話に出てくる金銀財宝の中にありそうな、見るからに高価な宝石箱です。
どの作品も本当に美しくて輪島塗特有の漆黒は見るものを飲み込んでしまいそうな妖しい魅力があります。あと値札の数字もちょいちょい気にしてしまいます。なんどもため息を漏らしそうになりました。一階部分は無料で入れますので輪島に来たら是非訪れてもらいたいです。
石川県輪島漆芸美術館
前にも書きましたが、ここに収められている品々はまさに日本昔話に出てくる宝物そのものです。
こういうところに来ると、輪島塗に限らず長い年月を経て今も残る伝統工芸品は本当に素晴らしくとても興味深く感じられます。単純に面白い。じっくりゆっくり丹念に魂をこめて人の手で作られているものってやっぱりいいなと気づかされます。
エントランスに展示してある輪島塗のピアノ
輪島塗の地球儀と地図
すごい存在感を放っています。
輪島塗漆芸美術館と永井豪記念館はセットでお得です!
朝市通りにあります、デビルマンでおなじみの永井豪記念館と輪島塗美術館とセット割引があります。
さらに特典としてオリジナルクリアファイルも頂きました。
(大人1名通常料金)
石川県輪島塗漆芸工芸館 410円(展示会によって変更あり)
永井豪記念館 520円
(セット料金) 640円(永井豪記念館オリジナルクリアファイル付き)
かなりお得です。
永井豪記念館はとても小さな建物ですが、デビルマンやキューティーハニー、マジンガーゼットなどの永井豪ファンには胸アツの記念館です。
美術館とセットで行くならファンでなくても行っても損はないかも。
海女町と鴨ケ浦と袖ヶ浜
海女町
輪島朝市から車で5分ほどのところに海女さんで有名な海女町があります。そのすぐそばにあるのが鴨ヶ浦と袖ヶ浜。知る人ぞ知る隠れた穴場です。
このあたり一帯は映画で使われそうなロケーションです。
鴨ヶ浦
海の中にぽっこり現れる岩礁地帯。白い砂の塊のような岩。
とても歩きやすく不思議なところ。
静かで澄み切った海の水が美しい。地元の子供たちが大勢遊びに来ていました。
昭和10年頃に作られた海水プールです。海水が本当にきれいなんですよ。
クロール競争をしていますね。
24時間いつでも解放されていますからもしここに住んでいれば夏場は毎日ここに来そうだな。
袖ヶ浜
この感じが既にたまらんです。昭和の海水浴場っていう趣があります。
青い空に青い海。きれいだなぁ
夏目漱石の小説に登場しそうな素朴かつ完璧な海水浴場。
袖ヶ浜を望むように高台に建つ温泉旅館
「輪島温泉八汐」
この眺めを見ながら温泉に入ってのんびりとくつろげる時間は最高だろうな。
輪島温泉八汐の詳しい情報はこちら白米千枚田
輪島の朝市から国道249号線を車で20分ほど走らせると「白米千枚田」が見えてきます。
冬のイルミネーションも綺麗だけど、夏の感じもいいなぁ。
下から見た千枚田です。自然感がすごい。
写真ではわかりませんが、自然の音に感動します。蝉の鳴き声、波の音、田んぼの用水の流れる音。この自然の音を録音して家に持ち帰りたいって心から思いましたね。
潮風に吹かれ、気がえらいことになっています。よく頑張って立っているな。
田んぼのすぐそばに海がある景色ってなかなかないですよね。
名誉会員オーナー田って・・・
揚げ浜塩田
能登半島の民家もまばらな美しい海岸沿いに昔ながらの揚げ浜式製法の塩田がいくつもあります。
輪島と珠洲をつなぐ塩街道。
ここでも店内に入ると冷たいお茶を出してくれました。輪島の人は温かいな。
ここでは揚げ浜式の塩作り体験ができます。
この桶に海水を溜めて桶ですくって整地した砂地にまきます。これ結構熟練の技が必要でなかなかうまくまけません。それもそのはず、揚げ浜式の塩作りは「潮汲み3年、塩撒き10年」と言われ一人前になって良い塩を作るには長い年月が必要なんです。
本格的な有料の体験もできますし、上の写真のところで無料のミニ体験もできます。
職人さんの潮撒きと是非比べて見てください。職人さんがいかにすごいかわかりますよ。
垂水の滝
塩街道(国道249号線)を更に北に進むと海沿いの断崖に滝が見えてきます。
涼を求めて人が集まっています。大人や子供が靴を脱いではしゃいでいました。上半身裸のおっちゃんもいたな。
この暑さにサラサラ流れる滝のマイナスイオンはたまらん!
まとめ
今回は輪島を歩き倒しました。
蝉の声が鳴り響く暑い輪島には日本人なら誰もが持っている日本の夏の原風景がありました。
美しい海や山といった自然、かしこまったところのない温かい人々、そして古くから伝わる朝市や塩作りそれから輪島塗といった伝統文化。
町全体を覆うゆっくりとした時間のながれ
なんら飾ることのない自然な景色に子供の頃の夏の思い出がよみがえる。
そんな楽しい輪島の旅でした。
コメント