先日友人がこの「ブレットトレイン」を見て良かったと教えてくれた。
原作は伊坂幸太郎の「マリア・ビートル」。こちらの方は読んでとても面白かった。原作に出てくる小学生のサイコパスの恐ろしさに戦慄を覚えたしその他キャラもとてもユニークでハラハラドキドキする心理戦が良かった。
というわけで映画「ブレットトレイン」を見てみた。
インスタグラムの女王を思い出した。
私がこの映画を見て初めに抱いた印象が、「インスタグラムの女王」
普段私はSNSをやらない。理由はその面白さがわからないから。何度かチャレンジはしてみたもののどうしても受け付けない。インスタグラムの女王もどうしても受け付けない。
奇抜な格好、奇抜なデザインに胸やけがするし「どう?私を見て?美しいでしょう?もっと私を見て」とふくよかな女王がこちらに迫ってくる感じに圧迫感を感じる。その世界に私は浸ることが出来ない。
そのインスタやその他SNSに感じるものを本作でも感じた。胸焼けする。だけどたしかに刺激的だ。
中身がなくて、とてもビジュアル的な作品
ここが変だよ日本人
この映画の世界観は「気持ち悪い日本」
映画「キルビル」と少し似ているけどまだキルビルは日本人に対するリスペクトを感じた。しかしこの映画には微塵も感じなかった。どこまでも日本をコケにしている。日本の小説を使って、日本を舞台にして日本をコケにしている。そこにこの映画の魅力があると思う。
おそらく私はこの監督(デヴィッド・リーチ)の映画はもう見ないだろう。
日本を良く知らない外国人が日本に抱くイメージがこういうものなんだろうか。
「日本人は外国人からすると得体のしれない奇妙な人種」として見られていると以前に聞いたことがある。そのイメージ通りの世界感が演出されている。
日本の古典的な「フジヤマ・サムライ・ゲイシャ」というイメージに「トーキョー」のカオスなイメージをミックスして出来上がったすごく体に悪そうな世界。それを陽キャが超イケてるなんて馬鹿にしてる底の浅ささを感じるが。
登場人物はブラットピットやジョーイキング等といった見ていてうっとりするメンバーたち、その中で日本人はかなり浮いている。刀を振るったり金属バットを持ったりリーゼントヘアだったり。作中でもイケてる白人に「80年代のミュージックビデオかよ」ってあからさまにバカにされてる。
麻倉未稀の「ヒーロー」(スクールウォーズで有名なやつ)が使われていたが、それすらもバカにされているような気がした。
日本人をいかにダサく描くことで反対のビジュアルが引き立つ。
どこまでも日本を馬鹿にしてくる作品
あのサイコパスの王子がかわいい女の子になっている。
小説「マリアビートル」でとてつもない存在感を発揮した小学生の王子。私はこの王子が映画でどう描かれているのかを一番楽しみに期待していた。
結果はとてつもなくかわいくなっていた。
なんだこのかわいい子は。。。。名前はプリンスか。。。。こんだけかわいいとサイコパスであっても許される。ツンデレ的でかわいさを一層際立たせるにすぎない。
この映画はマリアビートルの筋はなぞってはいるが、まるで違うものだとこのかわいい子を見て理解した。この映画はヴィジュアルに特化していて中身がない。まさにインスタ的。
ジョーイキングがかわいい作品
本作でもっとも危険な黒幕
「白い死神」その人だ。
危険な殺し屋に世界で最もクレージーだと評されていた「白い死神」。
その危険な白い死神を私たちは見なければならないと思う。
それはアメリカンジョークなのか?
どうしてこれで「白い死神」なんだ?
白髪だからか?
危険な臭いはしないが?
おじいちゃん?
つっこみどころが満載な作品
まとめ
期待していたのとは違ったけど、なかなか面白い映画だと思った。
・中身がなくて、とてもビジュアル的な作品
・どこまでも日本を馬鹿にしてくる作品
・ジョーイキングがかわいい作品
・つっこみどころ満載な作品
うん、深みがないが豪華俳優陣と刺激的な演出が盛り込まれていて何も考えずに楽しめる映画。
これぞハリウッド映画という映画だ。
子供と見てもいいかもしれない。
最後にこの映画を見てから、伊坂幸太郎の「マリアビートル」を是非読んでもらいたい。
日本っていいなって思えると思います。
私は全力でマリアビートルを宣伝する。
ブレットトレインは見る人によっては面白いかもしれないがだいたいクソだ。
私はジョーイキングがかわいかったからそれでいい。
マリアビートルは純粋に面白いし読みやすい。
小説をあまり読まない人には特におすすめです。
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