金沢市のモダンなお店が立ち並ぶ片町、香林坊を少し裏手に入ったところに突然江戸時代にタイムスリップしたような一帯があります。
江戸時代の加賀百万石の城下町、さらに当時のお武家が住んでいた街がそのまま現在に残されているようなロマンと風情が感じられるスペースです。
兼六園やひがし茶屋街などとまた一味違いテイストゆえ、金沢に来たら是非訪れてもらいたい場所です。
そんな「長町武家屋敷界隈」を歩いてきたので、ご紹介させていただきたいと思います。
旅行の際の参考になれば幸いです。
長町武家屋敷跡
金沢市の繁華街片町や香林坊やビジネス街の一本裏手に「せせらぎ通り」があります。この通りは犀川を水源とする鞍月用水が流れ、ゆっくりと穏やかな空間を金沢市民が行き交います。
長町武家屋敷跡は目立たないですが、そのせせらぎ通りの枝道の一つを行くと見えてきます。少しわかりにくいので上の看板を見落とさないようにしなければなりません。
長町武家屋敷跡は江戸時代加賀藩の上流から中流武士が生活していたお屋敷がそのままの形で今も残されている街です。土塀に囲まれた石畳の上を歩いていると江戸時代にタイムスリップしたような錯覚に陥るかもしれません。ここはとても静かな場所で晴れた日のお散歩コースとしても最高の場所です。
ビジネス街のすぐそばに江戸の武家屋敷跡が立ち並んでいるのはなんとも不思議な感覚があります。
まるで迷路のような街の作りも車が当たり前にある現代とは違いますね。
当時のお武家たちは毎朝ここから金沢城やらに出勤していたんだなぁ。
「あなた、いってらっしゃいませ。」
「うむ、いってくる。」
とか言っていたんだろうか。
お茶屋街であるひがし茶屋街の街並みともまるで雰囲気が違う。
当時のお武家さんもここから、ひがし茶屋街まで茶屋遊びに行っていたのだろうか。
「しめしめ、今日は嫁がいないから芸者あそびにでも行ってやろうか・・・」
とか。
などと武家屋敷跡を歩いていると当時の暮らしぶりにいろいろ思いを馳せます。
武家屋敷跡に溶け込む店舗 その1
こちらは九谷焼や美味しいお茶が楽しめる「九谷焼窯元 鏑木商舗」
中には人間国宝の手による陶器やその他素敵な九谷焼の焼き物がたくさん展示されています。お店の女性もとてもきさくな方で九谷焼やその歴史についていろいろ教えてくれます。
一品一品を眺めているとあまりの美しさに時間を忘れてしまいそうになります。
たまには人の手により魂を込めて作られた名品に触れることもいいですね。
こちらは珪藻土製品を扱う店舗「soil flagship shop(ソイルフラッグシップショップ)」。
周囲の武家屋敷にすごく溶け込んでいてまったく違和感がありません。
長町武家屋敷界隈
迷路のような独特な武家屋敷跡を抜けても、そこには素敵な江戸時代の街並みが広がっています
大野庄用水
灌漑、物資運搬、防火、防御、融雪などの多目的用水だが、金沢城築城に大きな役割を果たしたと伝えられている大野庄用水。
サラサラと流れる用水のせせらぎは旅の雰囲気をほのかに高めてくれます。
水はとても綺麗で地域の人々がこの街を大切にしていることが伺えます。
武家屋敷跡に溶け込む店舗や資料館 その2
長町武家屋敷界隈でもまわりの景観に溶け込むような素敵なお土産屋やお菓子屋が楽しめます。
店舗数や規模も多すぎず少なすぎずちょうどいい感じです。
武家屋敷跡 野村家
加賀藩初代藩主前田利家の直臣として仕えた野村伝兵衛信定が最初にそのあと明治4年の廃藩まで400年以上も続いた由緒ある家柄。
簡素でありながらも味わい深い格式高い建物です。
こちら野村家は武家屋敷界隈の中で唯一一般公開されている武家屋敷であり、中の風情ある庭園は世界的にも高く評価されています。その他甲冑や刀剣その他加賀藩お抱えの絵師による襖絵など歴史的に価値の高い名品が数々展示されています。
さいごに
よく整備された鞍月用水と大野庄用水のせせらぎを聴きながら江戸時代のお武家が住んでいた街並みを歩くのはまさに非日常的観光気分を味わえます。
またこの長町武家屋敷界隈は広すぎず狭すぎずぼんやりと気ままに歩くのにとても適しています。程よい距離に味わい深い武家屋敷があり、また金沢の老舗お茶屋があったりお土産屋があったりと時間を持て余すことなく楽しめる、金沢でも人気の観光スポットです。
近江町市場や21世紀美術館など金沢市の他の人気観光スポットも近くにありますので旅行プランを立てる際には、「長町武家屋敷跡」を一つ案にいれてはいかがかと思います。
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