映画「シンドラーのリスト」この映画に出会えて良かったと思いました。

映画
Cinema theater screen in front of seat rows in movie theater showing white screen projected from cinematograph. The cinema theater is decorated in classical style for luxury feeling of movie watching.

先日「戦場のピアニスト」を見て感動した私。

第2次世界大戦中の実話をもとにした映画。600万ものユダヤ人の命を奪ったドイツナチス。そんな常軌を逸した軍隊に所属する一人でありながらユダヤ人を助けたドイツ軍将校ヴィルムホーゼンフェルト。その時彼は何を思っていたんだろう。ばれたらやばいとか思っていたんだろうか。

ナチスの犠牲になったのは、ユダヤ人だけではなくドイツ人も例外ではないだろう。極悪非道の超ブラック企業の中にも心優しい人はいる。暴力の世界に生きる中で自分の信念を貫き通すことはなかなかできることではない。上司の命令に逆らってでも自分を貫きとおす人間が今この日本にどのくらいの割合でいるだろうか。

自分はどうか?

そんなことを考えていたら、映画「シンドラーのリスト」が見たくなった。この映画も実話をもとにしたドイツ人がユダヤ人を救う感動の映画だ。

1993年公開 監督スティーブンスピルバーグ アカデミー賞で7部門受賞

1939年5月、ドイツ軍は2週間でポーランドを制した。

立派なお屋敷でパーティが開催されている。そこにはバイオリンの優雅な音楽が流れ綺麗なドレスあるいはタキシード、軍服を来た人々が踊ったり話をしたりしている。そこに1人だけ周囲とは異質な男が表れる。スーツを来たその男はテーブルにつくやいなやタバコをふかし獲物を狙う蛇のようなギラギラとした怪しい目つきで会場にいる美女や恰幅の良い軍人などを見ている。不敵な笑みを浮かべている。どうやら何かいいものを見つけたっぽい。この男が本作の主人公オスカーシンドラーである。後に多くのユダヤ人の命を救う人物だ。とてもそうは見えない。悪人特有のいやらしい表情をしている。半分口を開けて、にやついてる。実にいやらしい。

そう、オスカーシンドラーという実在した人物はいくつもの事業に失敗した挙句に「戦争」というビジネスチャンスに目を付けてやって来た金の亡者だったのです。

1941年3月20日 ユダヤ人居住区(ゲットー)の誕生
ユダヤ人は軍の命令でユダヤ人居住区(ゲットー)に押し込められることになります。壁に囲まれた0.24平方キロメートルの狭い居住区に。そしてユダヤ人は全員ダビデの星の腕章をつけさせられていました。ユダヤ人とわかるように。この時点ではまだユダヤ人の顔に余裕の顔が見られます。

1943年3月13日ゲットーの解体
まあここからが酷い。多くのドイツ人が大きな声を張り上げる。ゲットー内に緊張が走る。ユダヤの人々は本能的に自らに向けられた殺意を察知する。医者が病人に劇薬を飲ませている。それを微笑み受け入れる患者たち。悲しいシーンだ。ベッドの下、タンスの中、床下、肥溜め至る所に隠れるもドイツ軍に見つかってしまう。泣き叫ぶ人々。それをかき消すかのように銃声が鳴る。

このシーンはとても生生しい描写があり、見る人によってはトラウマになってしまうかもしれません。しかしリアルに近いのだと思う。戦争を体験したことのない私はリアルがどういうものかはわからないが、このシーンはリアルに近いのだと思う。

戦争が始まりゆっくりと着実に暴力の勢いが高まっていく中で、その惨状を目の当たりにしたシンドラーの中で何かが変わっていきます。そして彼は葛藤します。

人間は死ぬ、やがてみんな死ぬ。ゲートは確かに残忍なやつだ。だが私に何ができるというんだ!?危険な目に遭えばシンドラーのところに行けばいい。あそこは天国だと言っている。私に何ができる?

ゲートだって人の子だ。戦争というのは人間の欠点ばかりを増幅させるものだ。狂気に走るのも無理ない話さ。彼だってこれが平和な時代だったら今のようにはなっていないさ・・・

シンドラーは後に奪われるはずだった約1100人の命を救うことになります。
私はこの映画を見終わった後しばらく動けなくなりました。衝撃的で生々しいシーンがそうさせたのかもしれない。それとも胸を打つ深い感動がそうさせたのかもしれない。

絶望という深い暗闇の中に射す一筋の光。その光が1100人の失われていたはずの命を救ったのです。1993年公開当時の「シンドラーのユダヤ人」の子孫は6000人以上を数えます。今2023年その数はどうなっているのでしょうか。10年後100年後はどうなっているのでしょうか。救われた命だけではない。彼の行動は人々の心に光を植え付けたのではないでしょうか。

私は生きていて何が正しく何が間違っているのか時々わからなくなることがあります。しかしシンドラーの行動は全き善であり、純粋な光と言えるのではないでしょうか。その光はこれからも益々拡大しいつまでも輝き続けることでしょう。

シンドラーの愛と勇気にはただただ敬意しかない。
この映画を通して戦争の歴史的事実を知れたことにも意味があるし、作品としての完成度もとても高い。途中冷酷なナチスの幹部の心が揺れるシーンがあります。同じ人間でありながら命を奪いあうことの不条理。戦争や善悪というものについていろいろ考えさせられました。
私はこの映画に出会えて良かったと心から思えます。

人生で一度は見るべき映画だと思います。

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